
8月27日は「男はつらいよの日」です。
1969年8月27日、山田洋次監督・渥美清主演の映画『男はつらいよ』第1作が公開されました。テレビドラマから生まれた「フーテンの寅」こと車寅次郎の物語は映画シリーズとなり、長く愛される作品へと成長していきます。
『男はつらいよ』といえば、渥美清が歌う主題歌「男はつらいよ」が有名です。しかし、シリーズの映画には、登場人物が歌う曲や、物語の舞台や心情を彩る挿入歌も数多く登場します。
今回は、そんな『男はつらいよ』の映画の中で印象的に使われた歌から、主題歌を含めた7曲をご紹介します。懐かしい映画の場面を思い出しながら、劇中の音楽にも耳を傾けてみてください。
1969年公開の映画『男はつらいよ』第1作からシリーズを象徴してきた主題歌です。作詞は星野哲郎、作曲は山本直純、歌は主演の渥美清が担当しました。国立映画アーカイブでも、第1作の主題歌として記録されています。なお、渥美清名義のシングル盤は1970年2月10日に発売されました。
「男はつらいよ」と聞けば誰もが思い浮かべる、寅さんそのものともいえる一曲です。寅さんの生き方や、故郷・柴又への思いを感じながら、映画シリーズの原点を味わいたい日に聴きたい名曲です。
第8作『男はつらいよ 寅次郎恋歌』では、さくらを演じる倍賞千恵子が「かあさんの歌」を歌う場面があります。松竹公式の50周年記念コラムでも、この歌唱シーンが紹介されています。
故郷や家族への思いを感じさせる歌は、家族を大切にするさくらの姿にもよく似合います。寅さんとさくらの兄妹愛を思い出しながら、しみじみと聴きたい一曲です。
倍賞千恵子が歌う「さくらのバラード」は、さくらというキャラクターを象徴する楽曲のひとつです。松竹公式では、第16作『男はつらいよ 葛飾立志篇』で、この曲が西部劇風にアレンジされて歌われたことが紹介されています。
寅さんを温かく見守る妹・さくらの存在を感じさせる一曲です。シリーズを長く見てきた方には懐かしく、さくらの魅力を改めて感じたいときにもおすすめです。
第11作『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』では、マドンナのリリーを演じる浅丘ルリ子が「港が見える丘」を歌います。北海道・網走を舞台にした作品で、松竹公式のロケーション紹介にも、リリーがキャバレーでこの曲を歌う場面が記録されています。
旅回りの歌手として生きるリリーの姿と、北海道・網走の風景が重なる印象的な場面です。昭和の歌謡曲と映画の世界を一緒に楽しみたい方におすすめの一曲です。
1987年公開の第38作『男はつらいよ 知床慕情』では、森繁久彌の代表曲「知床旅情」が使われています。作品の舞台そのものが北海道・知床で、雄大な自然と「知床旅情」が重なることで、映画に深い旅情を与えています。
北海道の美しい風景を思い浮かべながら聴きたい、懐かしい名曲です。寅さんの旅とともに、映画の舞台となった土地の魅力も感じられる一曲です。
第42作『男はつらいよ ぼくの伯父さん』では、徳永英明の「MYSELF ~風になりたい~」が使われています。満男と泉の青春を描く後期シリーズを彩った楽曲のひとつで、徳永英明の音楽が作品に平成らしい空気を加えています。
これまでのシリーズとは少し違う、若者たちの恋や青春を感じさせる一曲です。満男や泉の物語とともに、後期の『男はつらいよ』を振り返りたいときに聴いてみてはいかがでしょうか。
第45作『男はつらいよ 寅次郎の青春』では、徳永英明の「夢を信じて」が使われています。満男と泉の恋を描く後期シリーズにおいて、若者たちの心情を彩る楽曲のひとつです。
旅を続ける寅さんと、それぞれの未来へ進もうとする満男や泉。世代の違う登場人物たちの人生を重ねながら聴くと、作品の持つ温かさをより深く感じられる一曲です。
『男はつらいよ』と聞いて、まず思い浮かぶのは、やはり渥美清が歌う主題歌「男はつらいよ」でしょう。
しかしシリーズを振り返ってみると、さくらが歌う「かあさんの歌」や「さくらのバラード」、リリーが歌う「港が見える丘」、北海道の旅情を彩る「知床旅情」、そして後期作品で若者たちの物語を支えた徳永英明の楽曲など、さまざまな歌が映画の世界を彩っています。
寅さんが日本各地を旅してきたように、『男はつらいよ』の音楽も昭和から平成へと時代を旅してきました。歌を通して映画を振り返ると、懐かしい場面や登場人物の姿がよみがえってくるかもしれません。
8月27日の「男はつらいよの日」には、懐かしい映画を思い出しながら、劇中で流れた歌にも耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

歌は、時代が変わっても人から人へ受け渡されていきます。学校で歌った思い出の曲、家族から教えてもらった歌、誰もが一度は耳にした名曲。長く歌われてきた曲には、それぞれの時代の記憶が重なっています。

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